便秘というのは、日常でもよく見られる症状の一つです。便が硬い、お腹が張る、残便感があるなどの症状があり、腹部のマッサージや水分摂取、ひどくなると下剤を使用して自己で対処する人も多いでしょう。しかしながら、排便が少量ずつあるのに便秘で強い腹痛、嘔吐などで緊急搬送されることもあります。排便があるのに便秘だったという具体例のアセスメントについて紹介しましょう。

看護師が患者を受け入れた時、ある程度問診票から情報を読み取ることが出来ます。また患者の様子、表情、訴えなどから問題をアセスメントしていくのではないでしょうか。ある患者は、家族に付き添われ救急車で搬送されました。強い腹痛と腹部膨満感、そして嘔吐があり、イレウスのような症状を呈していたのです。ただ本人と家族の情報では、排便は毎日あったというのです。これはどういうことでしょうか。

アセスメントする際には、医師との共同問題として、検査などの結果から適切な看護計画を出さなくてはいけません。この患者は、毎日排便があったけれど、実際に細かく情報を聴取すると下痢便が少量ずつしか出ていなかったのです。つまり腸の中で硬くなった便の側を便中だけが排泄される状態であったわけです。治療は、下剤の使用や浣腸、摘便などで硬くなった便を出すしかありませんでした。

ただ入院してきたときに、便が出ているのにイレウス症状があった場合、排便についてアセスメントするために詳しい聴取が必要となります。看護師は、入院してきたとき患者の一番近くで向き合う立場であり、細かい情報収集も可能です。それを生かして適切なアセスメントをしていくことが大切です。