看護師のアセスメントには、様々なコツが必要です。まず、診断名をはじめ患者の入院目的や入院前の経過について明確な情報を把握しましょう。診断名はカルテを見れば一目瞭然ですが、その他は患者からの聴き取りに依らなければなりません。症状を抱える患者からの聴き取りは短時間に抑えることが望ましいので、最低限の聴き取り項目を予めまとめておきます。最初は、最もきつい症状とその症状がいつ頃から始まり顕著になる時間帯はいつかについて聞き出します。

次に、症状が起きる前のライフスタイルと症状が起きてからの対応について尋ねましょう。こうした質問が、原因の特定につながります。それから、入院でどんな治療を望んでいるかという点とどの程度まで回復を求めているかについて質問します。このような前提情報を集めておくと、アセスメントが格段にやりやすくなるでしょう。

さらに、看護理論で定められた項目に従って、前提情報を整理します。看護理論にはいろいろな種類がありますが、中でもメジャーなヘンダーソンの14の基本的欲求に沿って整理すると、アセスメントが楽になるでしょう。その主な項目は、呼吸や飲食をはじめ、排泄や姿勢から睡眠や体温調節まで多岐にわたり、各項目について正常な状態に保たれているかチェックしなければなりません。

このほか、達成感や充実感に加え、好奇心や危機回避能力からイベントへの参加意欲に至るまで、メンタルな要素も重要です。患者のメンタル面が顕著に治療や回復に影響するからです。